無視するのは余裕がないから。そう考えるといろいろと物事がシンプルに片付く。公開当時に観に行こうと思っていた作品群を一度にまとめて観た。相変わらずの素晴らしい仕事ぶりを観て、湧き上がる懐かしくすらある高揚感を得た。前ほど色々な所を巡らなくなった。それは決して興味が無くなった、嫌いになったとかそういうことではなくて、ただ「時間が足りない」その割にたいした積み重ねもないのだが。空気人形で見たあの公園をモヤさま内で見かけて実在するんだなと感心した。あんな状況が未だに残っているのか。自分の身の回りでああいった風景はないものかと考えるが、ここら一帯は特に変化のスピードが速い。心当たる断片がない。生を受ける前から存在していたらしい賭博場もつい最近、消え去った。決して好きな風景・建物ではないが長年そこにあるだけで一つの名物たるものに一応なる。人工物を対比にできるくらいの空間はそうそう無い。街に近い空港が存在する為、高いビルが建つことがない。ただ、その分、空は広い。人工的に捻じ曲げて作り上げた都市であるからに、何かしらの面白い空間が出来たりしているのであろうが、お目にかかったことは無い。

暇も余裕もそれほどない。良いことか？悪いことか？…悪いことに決まっている。暇ありきで生きているようなものだ。