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33.そして世界を一周するのさ (2011年10月14日)


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dome

彼に比べれば自分は所詮、小規模な世界しか知らない、井の中の蛙なんだなと改めて、思い知らされた。

日毎のルートをぐるぐる回り回って、繰り返して繰り返して、その反復に飽きて違うルートに変えてみて、それでも飽きてどこか遠くへ旅に出たりして、それでも飽きて。何を以てして色々なルートを回り回っているのかと言えば…まぁ特別、自分には何も無かった。固執しているその生業は別に必然ではない。「背負い込んだ全てを投げ出せば」必然ではない。

日々がもし廻り廻っている物だとすると、日毎の回り回るルートがとても無意味な物に思えてきて…無軌道に進み進んで敷かれた既存の境界を躊躇なく飛び越えて行きたくなる。…これは所謂「いつか帰るところ」がある自分だからこそ思える事だ。…ここが旅に向いていない感性だ。廻り続ける毎日は、何かの拍子で訪れた一時の安らぎも仮宿を離れるまでの限定的な物となっていく。それを前提に廻り廻る毎日。今の自分ではきっと途中で心折れる。小さい、自分の器。

「時間をかけてとりあえず資金を貯めこんで…」と、その後の展望は全く分からないがシンプルで力強い、そんな言葉を放った後に、異邦人の彼は言った。


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author : syulin